2026年1月、日本の滝百選「桑ノ木の滝」へと続く道中で、新宮市の地域おこし協力隊員と出会った。
映像制作のスキルを持つ協力隊員と、新宮市の魅力を発信するための協力案を模索。
地域おこし協力隊の運用と、外部連携における現実。
新宮市における情報発信の現状を記述する。
桑ノ木渓谷

今年も例年通り、桑ノ木の滝を撮影していた。
観光客の姿はなく、聞こえるのは川の音と鳥の声だけだ。
見慣れた渓谷の風景の中に、見慣れない人影が歩いてくるのが見えた。
地域おこし協力隊員との遭遇

歩いてきたのは、一人の若い女性だった。
数ヶ月前、新宮市の地域おこし協力隊として着任した方だ。熊野新聞の記事で顔を覚えていた。
氏は新宮市のPR活動のため、SNS用素材の撮影に来ていた。
前職が映像制作のプロであり、編集までこなす専門職。
その事実が、同じく記録を続ける身として刺激になった。
映像制作とKVAの記録
「新宮市の魅力を映像で発信したい」。
氏の語る言葉は、KVAがこの地で写真を撮り続ける目的と一致していた。
利害関係のない、純粋な共同制作。
この森で出会った偶然が、新宮市の新しい発信の形に繋がる。
そんな予感がした。
企画調整課の回答
後日、KVAから具体的なコラボレーション企画を提案した。
当初は前向きな返信があったが、一週間後、市役所としての正式な回答が届いた。
企画調整課に確認したところ、個人の肖像を前面に出す広報や、個別依頼による外部コラボは所内手続き上お受けできないとの回答でした
新宮市 地域おこし協力隊員からの回答
地域おこし協力隊は、独自のスキルを持つクリエイターである一方、市役所という組織の一員でもある。
個人の意欲があっても、公務としてのガイドラインを越えることはできない。
これが、行政の現場で活動する協力隊員が直面する、避けては通れない制約なのだ。
2026年、それぞれのフィールド
組織のルールがある以上、これ以上の提案は不要だ。
だが、あの森で話し合った「新宮の魅力を発信する」という行動は、形を変えて続いていくはずだ。
氏は新宮市の公務として、こちらはKVAという独立したアーカイブとして。
それぞれのフィールドで新宮を記録していく。

桑ノ木の滝の基本情報
- 所在地
- 和歌山県新宮市相賀
- 滝の落差
- 21メートル(日本の滝百選)
- アクセス
- JR新宮駅より熊野御坊南海バス「高田行き」乗車、「相賀(おうが)」バス停下車(乗車約20分)。駐車場より遊歩道を徒歩約15分
- 駐車場
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なし(県道沿いの路肩スペースを利用。橋の近くに数台分の駐車可能エリアあり。そこから滝の入口まで徒歩すぐ、滝の目の前までは遊歩道を歩いて約15分)
ストリートビューで周辺を確認する
- 散策時間
- 自由(往復約30分+観瀑時間。日没後の入山は危険)
- 備考
- 高田川の支流、桑ノ木渓谷に位置する。遊歩道は整備されているが、滑りやすい箇所があるため歩きやすい靴を推奨
- 問い合わせ先
- 0735-22-2840(新宮市観光協会)
共鳴の原点。KVAが残す「桑ノ木の滝」
氏がそこまで惹きつけられた、桑ノ木の滝。
熊野の自然の象徴ともいえる美しい光景。
KVAがフィルムカメラとデジタルで切り取った「桑ノ木の滝」の姿を、ぜひ見て欲しい。
桑ノ木から神倉へ
桑ノ木渓谷の清流が描き出す「水」の記録。新宮を歩く巡礼は、ここから「火」と「石」が統治するもう一つの聖域へと続く。
断崖を駆け下りる上り子の松明が闇を裂く「お燈まつり」。
そして、その舞台であり、538段の石段の先に巨石・ゴトビキ岩が鎮座する「神倉神社」。
新宮の信仰と自然が織りなす、聖域の姿。





