天満天神社例大祭 | 約600年の歴史を繋ぐ古座流獅子舞とお弓神事

奉納幟の前で並び弓を構える二人の射手 那智勝浦町

2026年2月22日、和歌山県那智勝浦町天満。日の丸が翻る天満天神社の境内で行われる天満天神社例大祭。
室町時代から約600年にわたり継承される伝統行事であり、古座流の獅子舞奉納と、大的を射抜くお弓神事が中心となる。天満地区の人々が世代を超えて維持してきた祭事の全行程。

天満天神社の基本情報(アクセス・参拝データ)

所在地
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町天満308
御祭神
主祭神:菅原道真公
配祀神:金山彦神、保食神、倉稲魂神
例祭日
2月25日(直前の日曜日に斎行)
アクセス
JR紀勢本線「紀伊天満駅」より徒歩約1分
駐車場
あり(無料。隣接して約15台分。ただし例大祭時は混雑のため注意)
ストリートビューで周辺を確認する
参拝時間
自由
備考
那智勝浦町天満に鎮座する神社。例祭の「お弓神事」では、古式に則り災厄を払う弓の奉納が行われる
問い合わせ先
0735-52-1646(勝浦八幡神社)

祭りの朝

冬空の下、鳥居に掲げられた日の丸の国旗群

「紀伊天満駅」の線路沿いから石段を上がった先に天神社の境内はある。
例大祭の朝、参道入り口には日の丸が掲げられる。

石段を登る神職の背中を照らす虹色のレンズフレア

境内への石段を歩む神職。

注連縄が張られたクスノキとホルトノキの巨木

境内にはクスノキとホルトノキが根元で一体となった御神木がある。

境内の巨木脇を粛々と歩む神職の赤い装束

御神木の傍らを赤い装束を纏った宮司が歩み、神事の場へ向かう。

修祓と神酒授与

獅子舞奉納を前に神職によるお祓いを受ける天満交友会の男たち

本殿前。獅子舞奉納やお弓神事を前に、天満交友会の男たちが宮司によるお祓いを受ける。大幣(おおぬさ)が振られる中、地域の伝統を担う男たちの表情が引き締まる。

天満の町から境内の坂を上る獅子舞の一行

天満の町から境内の坂を上る獅子舞の一行。

天満交友会の揃いの法被を纏った男たちの後ろ姿
寄り添う御神木の前で深く拝礼する神職
獅子舞奉納を前に宮司から神酒を授かる参列者たち

獅子舞奉納を前に宮司から神酒を授かる参列者。神事を前に身を清める。

神酒を授かり伝統装束姿で笑顔を浮かべる射手
神事の合間に柔らかな表情を見せる射手たち
弓行事を前に仲間と談笑する射手の横顔
宮司に導かれ弓行事の舞台へと向かう射手たちの行進

宮司に導かれ、お弓神事の舞台となる射場へ向かう一行。

古座流の獅子舞

境内に響く獅子舞奉納の太鼓演奏
獅子舞奉納で横笛を奏でる女性

青い法被を纏った天満交友会の若衆が太鼓を叩き、女性たちが篠笛を奏でる。伝統の祭囃子が周囲に響き渡る。

祭囃子に合わせて篠笛を奏でる女性
神社周辺の空き地に咲く紅梅

社殿での厳粛な儀式から一転し、神社そばの空き地は祭りの熱気に包まれる。

射場周辺のブロック塀から獅子舞を見つめる子供たち

ブロック塀に手をかけ、身を乗り出すようにして獅子舞を見つめる子供たち。その視線の先で、日の丸の扇子を広げた勇壮な獅子舞が披露される。

射場で日の丸の扇子を広げて舞う獅子

奉納幟が翻る中、日常の空間で繰り広げられる伝統芸能。

獅子舞奉納で太鼓を打ち鳴らす男性

お弓神事

的の前に集結した宮司、射手、および祭事役員の集合写真
装束を纏い射場へと入場する射手

伝統の青い装束を纏った四人の射手が射場へ入場する。直径約2メートルの大的を前に、場に緊張感が走る。

奉納幟の前で並び弓を構える二人の射手

二人の射手が並び、弓を構える。大きくしなる弓を引き絞り、全神経を的に集中させる。

全神経を集中させて的に狙いを定める射手の姿

一矢が的を射貫くたび、周囲を取り囲む観客から歓声が上がる。

砂山の前で矢や棒の状態を確認する射手
Flickr Exploreにも選出されたボーダー柄の衣服を着た子供と背景の的の円紋

祭りの最中、お揃いのボーダー柄の衣服を着て光景を見つめる姉弟。背景に置かれた的の円紋と、衣服の直線がモノトーンの対比をなす。

一射を終えて装束姿で笑顔を見せる射手
弓の前に跪きその状態を点検する射手
二本の矢を掲げその状態を確認する射手

射手たちの立ち振る舞いにより、日常の空き地が歴史を繋ぐ神聖な空間となる。

奉納幟の下、深く腰を落として弓を構える二人の射手
弓矢を掲げ精神を研ぎ澄ませる射手
砂山の前で弓を掲げる二人の射手
低い構えから弓を引き絞る射手
自身の弓の状態を確認する射手
神事の合間に伝統的作法に則り一礼を捧げる射手
祭事中の天満地区上空を旋回するトビ

お弓神事が佳境を迎える頃、天満の上空を旋回するトビ。

砂山が築かれた射場の土を踏みしめる射手
最後の一矢を放ち、弓立てへと戻る射手

最後の一矢を放ち、弓立てへと戻る射手。大役を遂行した表情。

射場で同時に装束を整える二人の射手

同時に装束を整える二人の射手。長年の阿吽の呼吸を示す。

餅まき

高台から投げられる餅を求めて手を伸ばす地域住民

例大祭の最後を飾る和歌山伝統の「餅まき」。高台から放たれた餅を求め、地域住民が一斉に手を伸ばす。

餅とともに食パンが投げられる天満地区の餅まき行事

通常の丸餅だけでなく、直径10cmを超える大判の餅や、一斤の食パンまでもが宙を舞う天満地区特有の光景。会場は最高潮の賑わいを見せ、神事を終えた射手や役員も住民と一体となって無病息災を願う。

朱色の玉垣で囲まれた射場内の仮設祭壇と斎場

朱色の玉垣に囲まれた射場内の仮設祭壇と斎場。

逆光を透過する射場周辺の梅の花

宵宮の記憶

社務所内で奉納される宵宮の獅子舞

天満天神社例大祭の記録は本宮に留まらない。
前日の宵宮では、社務所での奉納や町中を巡る「地下回し(じげまわし)」が行われる。

宵宮の暗がりに浮かび上がる獅子頭と背後で操る若衆の眼差し
夜の境内で激しく旋回する獅子舞の流動的な躍動

夜の社務所で激しく旋回する獅子舞。天満交友会が継承する「古座流」の荒々しさと躍動感。

横笛の音に合わせ、境内で激しく躍動する獅子舞

夜の天神社に響く笛の音に合わせ、社務所で舞う獅子舞。

夜の路上で街灯に照らされて舞う地下回しの獅子

「地下回し」では、獅子舞の一行が夜から翌日にかけて町内の商店や事業所を巡り、商売繁盛を祈願する。

地下回しで玄関先を訪れる獅子舞と天満交友会

街灯に照らされた路上で舞う獅子と、それを見守る交友会のメンバー。

天満の祭りは、こうして未来へと繋がれていく。

天満天神社の周辺地図・駐車場

駐車場
あり(無料。隣接して約15台分。ただし例大祭時は混雑のため注意)
ストリートビューで周辺を確認する

Flickr Explore 2026.03.06 選出

2026年3月6日、本記事に掲載している「ボーダー柄の服を着た姉弟と的」の写真が、Flickrの「Explore」に選出された。

那智勝浦町、天満天神社の例大祭の最中に撮影した一枚。
祭りの会場で見つけた幾何学的な構成と、姉弟の表情を捉えた写真が、国際的な写真コミュニティにおいて評価を獲得した。

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