新宮市・桑ノ木の滝でのインプロヴィゼーション | 熊野ポートレートアーカイブ

勢いよく流れ落ちる桑ノ木の滝を背景に、苔むした岩の上で空を見上げる女性のフィルムポートレート ポートレート

「熊野ポートレートアーカイブ(Kumano Portrait Archive / KPA)」の記念すべき第一弾として、新宮市の桑ノ木の滝周辺で撮影した人物写真を公開する。

このプロジェクトでは、事前の演出や段取りを一切行わず、現場の光や空気、モデルの呼吸に合わせるインプロヴィゼーション(即興)の撮影をおこなっている。
35mmフィルムのKodak PORTRA 400を用いて、桑ノ木渓谷の緑や清流、桑ノ木の滝の水飛沫の中で、風景と人が交わる瞬間をそのまま捉えた。
新宮市街地(新宮駅周辺など)から車でわずか15分ほど。
そこから時間の経過に沿った写真を通じて、熊野の自然の中に立つ人の姿を記す。

桑ノ木の滝の基本情報(アクセス・散策データ)

所在地
和歌山県新宮市相賀
滝の落差
21メートル(日本の滝百選)
アクセス
【車】新宮市街地(新宮駅周辺など)から車で約15分、和歌山県道230号高田相賀線沿いの路肩駐車スペースを利用。
【バス】JR新宮駅より熊野御坊南海バス「高田行き」乗車、「相賀(おうが)」バス停下車(乗車約20分)。
駐車場
なし(県道沿いの路肩スペースを利用。橋の近くに数台分の駐車可能エリアあり。そこから滝の入口まで徒歩すぐ、滝の目の前までは遊歩道を歩いて約15分)
和歌山県道230号高田相賀線沿いにある、桑ノ木の滝へ向かうための路肩駐車スペース
ストリートビューで周辺を確認する
散策時間
自由(往復約30分+観瀑時間。日没後の入山は危険)
備考
高田川の支流、桑ノ木渓谷に位置する。遊歩道は整備されているが、滑りやすい箇所があるため歩きやすい靴を推奨
問い合わせ先
0735-22-2840(新宮市観光協会)

桑ノ木の滝 水飛沫と光の中で

新宮市の高田川の支流である、桑の木谷川。
その川沿いの遊歩道を15分ほど遡った先にあるのが、日本の滝100選にも選ばれている桑ノ木の滝だ。

桑ノ木の滝の前に広がる苔むした巨岩に腰掛け、滝を見つめる女性のポートレート

周囲を木々に囲まれたこの場所から、今回のプロジェクトは動き出した。

激しく流れ落ちる桑ノ木の滝の水飛沫と、Kodak PORTRA 400の柔らかな光の中に佇む女性のフィルムポートレート

あらかじめ決まった段取りや演出は用意していない。
その場で目にした光の入り方や、風に舞う水飛沫の中で、被写体がどのようにそこに立つか。
その時々の状況に反応しながら、シャッターを切っている。

桑ノ木の滝の飛沫を浴びながら、静かに目を閉じて自然と調和する女性の正面ポートレート
勢いよく流れ落ちる桑ノ木の滝を背景に、苔むした岩の上で空を見上げる女性のフィルムポートレート

岩の上で遠くを見つめる横顔や、降り注ぐ光の中で目を閉じる姿など、現場の空気を感じながら撮影した。

桑ノ木渓谷の杉林 木漏れ日の中を歩く

桑ノ木の滝での撮影をおこなった後は、もと来た道をゆっくりと入口へ戻りながら、カメラを向けた。

桑ノ木渓谷の深い杉林の中で、両手を大木に添えて佇む女性の後ろ姿のポートレート

桑ノ木渓谷は、長らく放置されていた倒木などがきれいに撤去され、整備されたばかりのタイミングだった。

桑の木谷川の清流と杉林に囲まれた河原に立ち、まっすぐカメラを見つめる女性のポートレート

歩きやすくなった川沿いの道を戻りながら、周囲の環境を大切に感じてシャッターを切っていく。
まっすぐに伸びる大木に両手を添えて立つ後ろ姿や、河原に立ってこちらを見つめる姿。

天高く伸びる桑ノ木渓谷の杉林の中で、上を見上げる女性の野外ポートレート
木漏れ日が差し込む桑ノ木渓谷の小道で、Kodak PORTRA 400の柔らかな光に包まれながら振り返る女性のポートレート

天を仰ぐ視線や、木々の間から光が差し込む小道で振り返った表情など、その場の空気に寄り添うように撮影した。

桑の木谷川の冷たさと相賀八幡神社の鳥居

桑の木谷川の清流の中に足を浸し、杉林の奥を見つめる女性の後ろ姿のポートレート

戻り道の途中で、桑の木谷川の冷たい清流に足を浸しての撮影をおこなった。

森の小道に架かる木製の吊り橋の上にまっすぐ立ち、正面を見つめる女性のポートレート

その後は、川に架かる木製の橋を渡り、渓谷の中に佇む相賀八幡神社へと向かっている。

苔むした石段の先に立つ相賀八幡神社の鳥居を見上げ、佇む女性の後ろ姿のポートレート

苔むした石段の先に立つ鳥居を見上げる後ろ姿、神社が放つ神聖な空気の中で、シャッターを切った。

高田川への切通と入口の小道

35mmカラーネガフィルムが描き出す深い陰影と木漏れ日が交錯する切通の小道に立ち、こちらを見つめる女性のポートレート

神社での撮影を終えた後は、高田川へと続く切通の小道へ。木漏れ日による光と影のコントラストが美しい道の中で、こちらをまっすぐに見つめる姿を丁寧に捉えていく。

高田川の川岸から、Kodak PORTRA 400が捉える澄んだ青い水面を見つめる女性のフィルムポートレート
光が降り注ぐシダ植物の群生と杉林の小道に立つ女性のフィルムポートレート

高田川の川岸の葉越しに水面を見つめる後ろ姿から、光の降り注ぐシダ植物が群生する入口の小道へ。移り変わる周囲の光景を大切にしながら、桑ノ木の滝での撮影を終えた。

熊野ポートレートアーカイブ 新宮市での試み

今回の桑ノ木の滝周辺での撮影は、熊野ポートレートアーカイブ(KPA)における最初の一歩となる。

ここで試みたのは、事前の演出に頼らないインプロヴィゼーションの撮影であり、35mmフィルムを用いて、その瞬間の光や環境、そして被写体の存在を捉えることだった。
自然の奥深さと、その中に立つ人の姿が交わる瞬間を写真に残せたことは、このプロジェクトの確かな出発点となった。

特定の誰かを特別視するのではなく、この熊野という地に生きる人々の姿を、これからも記録していきたい。
風景と人が織りなす一次情報の蓄積こそが、未来におけるアーカイブとしての価値を持つと信じている。

新宮市でスタートを切ったこのプロジェクトは、これからも熊野の各地域で続けていく。

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桑ノ木の滝の周辺地図・駐車場

駐車場
なし(県道沿いの路肩スペースを利用。橋の近くに数台分の駐車可能エリアあり。そこから滝の入口まで徒歩すぐ、滝の目の前までは遊歩道を歩いて約15分)
和歌山県道230号高田相賀線沿いにある、桑ノ木の滝へ向かうための路肩駐車スペース
ストリートビューで周辺を確認する

和歌山県新宮市の日本の滝100選「桑ノ木の滝」。長年、川を塞いでいた倒木は撤去され、本来の美しい清流と遊歩道が復活。激しい水飛沫を上げて流れ落ちる桑ノ木の滝の姿と、環境整備が進む現地の最新状況を伝える。

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