三重県紀宝町神内。神内神社の南約100メートル、神内川沿いの小高い岩山に「古神殿(こしんでん)」と呼ばれる場所がある。神内神社の御神体である巨大な磐座と対をなす、奇岩の集合体だ。
奈良時代以前の祭祀場と伝わり、現在の神内神社の本宮とも目されるこの場所を、2026年3月に記録した。
古神殿の基本情報 (アクセス・散策データ)
- 所在地
- 三重県南牟婁郡紀宝町神内920
- 別名・読み
- ふるこどの / 原始神殿 / 神内神社の本宮
- アクセス
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【車】「新宮駅」より車で約10分。
【電車】JR紀伊井田駅より徒歩約20分。 - 駐車場
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あり (無料。古神殿入口の前に約50台分の駐車スペースあり)
ストリートビューで周辺を確認する
- 参拝時間
- 自由
- 備考
- 山頂へ続く登拝道には補助用のロープが設置されている箇所があるため、歩きやすい靴を推奨。
- 問い合わせ先
- 0735-33-0334(紀宝町役場 企画調整課 観光係)
古神殿へのアクセス
県道141号を走行すると「子安の宮(神内神社)」の案内看板が現れる。

ここを曲がり、神内神社の方向へと進む。

続いて現れる分岐の看板に従い左折。約100メートルほど進むと、古神殿の入口に面した広大な砂利敷きの駐車場に到着する。


神内神社と対をなす巨石

古神殿の入口左側には、存在感を放つ巨石がある。神内神社の入口付近にある巨石と酷似した形状をしている。

二つの場所に、それぞれ対をなすように位置する巨石は、この地一帯が広大な信仰の場であったことを示している。
古神殿の全景。春の桜と岩山


入口には、この場所の由緒を記した看板が設置されている。
古神殿
(原始時代の神殿。禰宜姫様がご託宣、神内神社の本宮)
引用:古神殿 案内板
看板に記されている通り、ここはかつて神内川下流に住んでいた巫女・禰宜姫(ねぎひめ)が託宣(神のお告げ)を伝えていた場所とされている。

一枚岩の石橋を渡り、内部へと進む。

頭上には背後にそびえる巨岩を背景に、満開の桜が広がっている。


巨岩が形成する空隙の遺構

先へ進むと、二つに割れた巨大な岩の裂け目が現れる。

宗教人類学者の植島啓司氏は著書『神々の眠る熊野を歩く』において、この内部の空間構造について触れ、人々が託宣の声を聞こうとした「籠もり」の場であると言及している。
洞窟入口の岩盤には、かつて屋根が葺かれていたと思われる形跡が残る。

現在、神内神社の拝殿下に据えられている狛犬も、かつては古神殿に安置されていたと伝わる。


巨岩の奥に供えられた御神酒や古い石積みは、ここが古くから信仰の中心地であったことを物語っている。

洞窟内部からの景観と桜
洞窟内部から外を望むと、岩の隙間から風景が切り取られる。



岩の隙間から覗く青空に、桜が彩りを添えている。




古い世界の中から上空を横切る現代の飛行機雲を見る。


山頂への登拝ルートと頂上からの眺め

岩の隙間を過ぎ、補助用のロープが張られた石段を登る。


時期によっては道が不明瞭な箇所もあるが、岩肌や樹木に記された経路案内の赤い矢印に従って岩山の上部へと進んでいく。


岩陰には石仏が安置されている。



赤い分岐標識を左に進むと、頂上に到着する。





山頂からは、神内の集落を一望できる。

この岩山の頂には、桜と共にアブラチャンの黄色い花が咲き、山肌を彩っている。

山肌には錆びた運搬用モノレールのレールが遺されている。
信仰の歴史
かつての神内神社周辺は巨岩と大木が鬱蒼と茂る森林であり、修験者らの修行の場として「聖社(ひじりしゃ)」が建立されていた。平安時代後期、その聖社が現在の神内神社として祀られるようになる以前、この古神殿こそが信仰の本流であった。

原始の姿を残す巨岩の裂け目と、山頂に咲くアブラチャンの黄色い花。
古神殿は、今も神内にある。


古神殿の周辺地図・駐車場
- 駐車場
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あり (無料。古神殿入口の前に約50台分の駐車スペースあり)
ストリートビューで周辺を確認する
神内神社 | 巨岩を御神体とする古代の社
古神殿の北約100メートルに位置する神内神社。かつての修行場「聖社」を経て、平安時代後期に現在の形へと至った。高さ約100メートルの巨大な磐座や安産樹が存在する境内の現況を記録。



