お燈まつり。山は火の滝、くだり竜。

闇夜の石段を駆け下りる松明が描く一筋の光の軌跡 新宮市

約1,600人の上り子が松明を手に、538段の石段を駆け下りた2026年2月6日の全貌。
祭礼当日の様子と、現場の一次情報を公開する。

「お燈まつりは男のまつり、山は火の滝くだり竜」
新宮節にも唄われる、新宮市の伝統の火祭り「お燈まつり」。
夜明け前の王子ヶ浜での海中みそぎから、神倉山を駆け下りる男たちまで。
KVAによる「お燈まつり」の全記録。

王子ヶ浜の海中みそぎ

祭り当日の夜明け前、王子ヶ浜。
打ち寄せる荒波を前に、斎主による禊(みそぎ)が執り行われる。
上り子たちは真冬の熊野灘へと入り、身を清める。

夜明け前の浜辺でひとり海を見つめ待機する斎主の後ろ姿
禊を司る斎主の正面からの表情
波打ち際にお供えされた洗い米と御神酒
神倉山に向かい深く祈る上り子たち
掛け声と共に準備運動を兼ねた神事「鳥船」を行う上り子たち
冬の熊野灘へ走り込み波を浴びる上り子たち
熊野灘の荒波に身を浸す上り子たち
禊を終えて海から上がる上り子たち
海中みそぎを終えて私服へ着替えた斎主
禊を終えて私服姿で佇む上り子のシルエット

「たのむで」松明の儀礼

白装束の上り子たちはすれ違うたび、「たのむで〜」と声を掛け合う。
互いの松明を激しく打ち合わせる、お燈まつり伝統の儀礼。

「たのむで」と声を掛け合い松明の先を交わす上り子たち
境内で松明を激しく打ち合わせる上り子たち
白装束に太い荒縄を締めた幼き上り子

神倉山上の上り子たち

新宮の街並みを見下ろす少年の背中

神倉山から新宮の街並みを見下ろす少年。

ゴトビキ岩の麓にある本殿へ参拝する少年の後ろ姿
祭りの開始前に眼下に広がる新宮市街を眺める少年たち

祭りの開始前、眼下に広がる市街を眺めながら刻を待つ。

神倉山 538段の火祭り

闇夜の石段を駆け下りる松明が描く一筋の光の軌跡

合図と共に鳥居の門が開かれ、火を灯した松明を掲げた男衆が一斉に石段を駆け下りる。
新宮節に「山は火の滝くだり竜」と唄われた、お燈まつりの本番。

火の粉を散らしながら石段を駆け下りる上り子たち
松明を掲げて石段をゆっくりと下りる上り子たち

熊野速玉大社への還御

熊野速玉大社へと帰還する神職たち
祭りを終えて境内に帰還した神職たち

神事を終え、熊野速玉大社へと帰還した神職たち。

拝殿前で上り子たちへ向けて言葉を贈る宮司

拝殿前で上り子たちへ向けて言葉を贈る宮司。

祭事終了後の神倉山にて

熱気冷めやらぬ神倉山の麓で、一人の若者に声をかけられた。
三重県熊野市に生まれ、今は遠く沖縄の地で暮らしているという彼は、自分を見つめ直すためにこのお燈まつりに参加したのだという。
「今度、島に遊びに来てくださいよ」
そう言い残して彼が仰ぎ見た神倉山の夜空には、丸い月が静かに輝いていた。

お燈まつり終了後に夜空を仰ぐ若き上り子

またいつか、あの島で。

神倉神社の基本情報(アクセス・参拝データ)

所在地
和歌山県新宮市神倉1-13-8
御祭神
高倉下命・天照大神
例祭日
2月6日(お燈まつり)
アクセス
JR紀勢本線「新宮駅」より徒歩約15分
駐車場
あり(無料。第1駐車場:8台、第2駐車場:13台。お燈まつり等の行事の際は交通規制があるため注意)
神倉神社の第一駐車場
ストリートビューで周辺を確認する
参拝時間
自由(夜間は足元に十分な注意が必要)
備考
熊野権現降臨の地。御神体の「ゴトビキ岩」へは538段の急な石段を登る
問い合わせ先
0735-22-2221(熊野速玉大社)

お燈まつりで上り子たちが駆け下りる神倉神社の538段の急な石段。
KVAでは、この熱狂の舞台を35mmカラーネガフィルム「Kodak PORTRA 400」を用いて、時系列に追ったポートレートアーカイブを公開している。
演出を排した即興撮影によって、新宮市・神倉神社のゴトビキ岩でのポートレート撮影をおこなった。

お燈まつりの舞台であり、538段の石段の先に鎮座する神倉神社
源頼朝が寄進したと伝わる石畳の参道や、御神体である巨岩「ゴトビキ岩」の景観。
祭りの熱狂とは異なる、信仰の拠点としての神域の姿を公開。

新宮市相賀、高田川の支流に位置する桑ノ木の滝
桑の木渓谷の奥に鎮座する新宮市唯一の「日本の滝百選」。
四季を通じて変化する風景と、その周囲に広がる自然環境を記録している。

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