熊野古道すぐそばの誰も知らない神域:山そのものが神である場所と中判デジタル GFX
世界遺産・熊野古道(Kumano Kodo)の近傍、集落の山上に人知れず守られてきた聖域。和歌山県新宮市(Shingu City, Wakayama)、那智勝浦町(Nachikatsuura Town)、本宮町(Hongu Town)、隣接する三重県熊野市(Kumano City, Mie)にまたがるこのエリアで、写真家 kumanokodonet が数年越しに探し当てた、山の神「大山祇尊(Oyamatsumi)」を祀る個性的な檜と祭壇を記録。中判デジタルカメラ「富士フイルム FUJIFILM GFX」を用い、土地の生活と密接に結びついた土着の信仰を、その場の静謐な空気ごと克明に切り取っている。
写真家 kumanokodonet:受賞実績とFUJIFILM GFXによる土地の記憶の記録
全国誌カメラ雑誌のフォトコンテスト受賞多数。地元・新宮市(Shingu City)や那智勝浦町(Nachikatsuura Town)でのフォトコンテスト最優秀賞受賞など、客観的な評価に基づき活動。自らの足で歩き、土地の人に問い、ようやく対面できた御神体を、中判デジタル「富士フイルム FUJIFILM GFX」や「ソニー SONY α7シリーズ(Alpha 7 Series)」の圧倒的解像度で描写。さらに「ペンタックス PENTAX 67II」や35mmフィルムカメラにコダック・ポートラ400(Kodak Portra 400)を装填し、デジタルとフィルムを越境する視点で、一過性の観光ではない、芸術としての視覚表現を追求している。
熊野の神域を舞台としたポートレート作品制作:被写体モデル募集
新宮市(Shingu)を拠点に、那智勝浦町(Nachikatsuura)、三重県熊野市(Kumano)、本宮町(Hongu)から、串本町(Kushimoto)、古座川町(Kozagawa)、紀宝町(Kiho)、御浜町(Mihama)、尾鷲市(Owase)まで。この「誰も知らない神域」のように、土着の信仰が醸し出す圧倒的なエネルギーの中で、数十年後も価値を失わないポートレート作品を制作中。FUJIFILM GFXや中判フィルムカメラが描き出す重厚な世界観に身を委ねられるモデル・被写体を募集している。詳細は「モデル募集」のページを参照。
数年前、SNSでとある檜の写真を見かけた。
なんとも個性的な形をした檜だった。
それ以来、ずっと気になっていたその檜に、ようやく会いに行くことができた。

数年越しに対面したその檜は、とある集落の小高い山の上にあった。
集落の神様として祀られているだけあって、周囲には静かで神聖な空気が漂っている。

祭壇には「大山祇尊(おおやまつみのかみ)」と彫られた石が置かれていた。
山の神様として知られる存在だ。
祭壇や紙垂の状態を見ると、今も大切に手入れされていることが伝わってくる。

神様が個性的なら、お供え物もまた個性的だ。
ここに祀られている神様は女性で、このような供え物がされているのだという。
昔は女性が参拝できなかったとも聞いた。
現代の感覚では首をかしげてしまうが、それもまた、土地に根付いた信仰の形なのだろう。
それにしても、この場所に辿り着くまでにはずいぶん苦労した。
マイナーな場所ほど「人に聞かずに自力で探す」ことを信条にしているが、今回は早々に諦めることにした。
それほど、この場所は隠されていた。
バスの運転手に尋ねても、「聞いたことがない」と言われる始末。
集落をあてどなく歩き回ること一時間ほど。
一軒の家から出てきた方に思い切って尋ねてみると、なんと、その方の家の裏山だという。

実はここ、熊野古道のすぐそばにある。
多くの人が行き交う道のすぐ外れに、これほどひっそりとした場所が残っている。
熊野という土地の奥深さは、やはり底が知れない。

