KUMANOS|新宮・那智勝浦・熊野の境界に潜む「異世界」の記録
- 所在地
- 和歌山県新宮市・那智勝浦町、三重県熊野市の境界(Secret Area on the border of Wakayama and Mie)
- コンセプト
- SF的な静寂と自分だけの聖域(Solaris-like Atmosphere / Personal Sanctuary)
- 使用機材
- FUJIFILM GFX / Classic Neg.(Digital Medium Format)
和歌山県新宮市(Shingu City)、那智勝浦町(Nachikatsuura)、三重県熊野市(Kumano City)の深部に現れた、緑と苔に支配された聖域「KUMANOS」。中判デジタル GFX の階調表現で、SF映画を彷彿とさせる異世界の光景を記録。この「静」の記憶は、お燈まつりの「動」と対をなす、熊野のもう一つの真実である。
KUMANOS(クマノス)|緑と苔が支配する「惑星ソラリス」のような異世界
「ついに……辿り着いた」
熊野の森の奥で、その光景を目にした瞬間、言葉が漏れた。

植林された杉は倒れ、朽ち、地面から幹にかけて苔が張り付いている。
辺り一面、緑に支配されている。

太古の原生林のようにも見える。
それとも、地球ではないどこか、別の惑星か。

不時着した何かが、ここに落ちたまま放置されているような、そんな気配さえ感じる。

GFXの階調が描き出す、ポートレートの気配
こういう場所を見つけてしまうと、人物を入れたくなる衝動を抑えられない。
レンズをポートレート用に付け替え、誰かが立つことを想定して、慎重にフレーミングを探る。


やはり、いい。
この深淵の中に人物が立てば、もはや説明のいらない「画」になるはずだ。

この場所を「KUMANOS(クマノス)」と名付けた。
既存の言葉では、この世界観を、とても言い表せないからだ。
正直に言えば『惑星ソラリス』だとか、ロケットの『カイロス』だとか、
そんなSF的な言葉が、次々と頭をよぎったからだ。

自分だけの聖域を求めて|kumanokodo.net のドメインに宿る精神的アーカイブ
帰郷してからというもの、自分だけの聖域を求めて、ひとり熊野の奥へ入り続けてきた。
写真家として、最高の光景を探し続けているから。

クマノスに辿り着いた理由は、自分でもはっきりとは分からない。
ただ、何かに導かれるように、足が向いた。
熊野の秘境の、さらに奥。クマノスはその深淵にある。
慣れているはずの自分でも、あまりの広大なエリアに、しばらく立ち尽くした。

帰り道、木々の隙間から太陽が覗いた。
現実に戻れた安堵と、背後に残した「自分だけの聖地」への未練が、胸の中で交錯した。
今回は道中すべてを記録したから時間がかかったが、クマノスへ直行するなら三十分ほどで辿り着けるはずだ。
たぶん、また来る。
今度は、同じ熱量を持つ誰かを連れて。
その日の夜、kumanokodo.net のドメインが取れた。
誰も知らない熊野の深淵からの挑戦状だろうか。
これからも熊野を探求し続ける。
そう心に誓った。
更なる「秘密の熊野」への招待状
惑星ソラリスのような異世界に浸り、自分だけの聖域を見出したなら。
次に訪れるべきは、森の頂に君臨する「主」と、山そのものが神となる「聖域」だ。
「熊野の女王」:森に君臨する、気高くも優美なその姿。
「山そのものが神である場所」:畏怖の念を抱かせる、古の神域へ。
静寂の対極|1580人が火の滝となる「お燈まつり」の記憶
熊野の深淵で見つけた、静寂に満ちた自分だけの聖地KUMANOS・・・
その対極にある熱狂が頭をよぎった。
1580人の上り子が松明を掲げ、神倉山の絶壁を駆け下りる「火の竜」の光景だ。
孤独な探求の先にある誰も知らない世界と、荒縄を締めた男たちが命を懸けて紡ぐ火の滝。
そのどちらもが、熊野の真実。
お燈まつり2026。神倉山を駆け下りる1580の火の竜。
この記事では、kumanokodonetが「人生、のぼり竜」と詠んだ、あの夜の熱狂が刻まれている。





