熊野の女王。

原生林に立つ熊野の女王 熊野未踏域アーカイブ

原生林の入り口

二本の巨木が並び立つ原生林の入り口

「何をしに来た?」

眼前に立ちはだかる二本の巨樹が、そう問いかけてくるようだ。 ここは山の頂に近い、熊野の神聖な森。

日中でも差し込む光はわずかで、厳粛な空気が、足を踏み入れる者を選別している。
覚悟のない人間は、立ち入ることすら許されない。

巨木の枝葉と木漏れの見上げ

一歩足を踏み入れば、緑豊かな世界。
いかに熊野といえど、これほどまでに豊かな森は稀有だ。

森の植生と循環

露出した倒木の巨大な根の構造

岩石のように見える塊は、巨大な倒木の根だ。
倒れてもなお、圧倒的な存在感を大地に刻み込んでいる。

樹木の幹に付着した巨大なサルノコシカケ

見たこともないような、異形のキノコさえ息づいている。

巨木が立つ山頂の平坦な地表

頂上に辿り着いた。
白いドレスを纏った表現者がひとり、舞を踊っていそうな、神聖な広場が目の前に広がる。

木々の間から差し込む光の筋
折れた幹から伸びる新しい枝葉

折れた巨木が、その身を挺して新しい生命を宿している。

自生する若木と周囲の緑

「よう」と、こちらに挨拶をしているようにさえ見える。

折れた大木の断面に差し込む光と影

この、生命の循環が剥き出しになった光景が好きだ。

標高の高い地点から望む山並み

個性的な巨木たちを撮り終え、満足して帰路につこうとしたとき、
ふと、この森の“主(ぬし)”に出会っていないことに気づいた。

これまでに見た巨樹のどれかが主だったのか。
いや、そこまでの存在感を放つものはいなかった。

「また主を求めて、来ることになるのか」

そう考えながら歩を進めていた、その帰り道——

熊野の女王

原生林に立つ熊野の女王

いた。

森の奥に、とてつもない気配を放つ存在が。

直立する巨木の幹と枝の見上げ

「熊野の女王か……」
対峙した瞬間、理屈より先に、本能がそう告げてきた。

巨大で、優美で、そして圧倒的だ。

森に自生する巨木「熊野の女王」の立ち姿

その存在感は、熊野三山にも引けを取らない。
これほどの存在が、人知れず森の奥深くに立っているという事実。
熊野という土地の底知れなさに、圧倒された。

側近の倒木と再訪の約束

女王の傍らに横たわる巨木の倒木

女王の足元には、彼女に劣らぬほどの巨木が倒れていた。
まるで、死してなお女王を護り続ける側近のように。

いつか、この女王にも倒れる日が来るのだろうか。

その時が訪れる前に、どうしてもこの場所でポートレートを撮りたい。
誰も見たことのない、神聖な一枚が撮れるはずだ。

そのためには、女王に負けないオーラを持つ“熊野の女神”を見つけなければならない。

必ず見つけて、連れて来る。
女王、あなたが倒れるその日までに。

逆光のフレアと原生林の木々

熊野の女王の基本情報

所在地
和歌山県内、特定の山域の頂(秘密の聖域)
君臨者
熊野の女王(Queen of Kumano)
アクセス
二本の巨樹による選別を経て、原生林の深淵を歩むこと約30分
拝謁条件
森に受け入れられる「覚悟」と、森の生命を尊ぶ心
備考
kumanokodonetが「熊野の女王」と命名。圧倒的な気高さと優美さを兼ね備えた森の主。足元には側近たる倒木が眠り、次なる「熊野の女神」の降臨を待つ
注意事項
女王が倒れるその日まで、この静寂を乱さぬこと
問い合わせ先
森の主への祈り、あるいはポートレートへの誓い

THE GATE IS CLOSED TO THE UNWORTHY

熊野未踏域 | 未踏の風景と信仰の一次記録

蝙蝠の岩屋
長年その所在が不明とされていた、巨岩内部に広がる巨大な空洞。
40年の時を経て記録された、洞窟内部の構造と祭祀の痕跡を公開している。

KUMANOS(クマノス)
倒木と苔が地表を埋め尽くす、熊野の山中に位置する広大な樹林帯。
緑に支配された異質な空間であり、kumanokodo.netのドメインを取得する契機となった原点の地。
森の深部に広がる特異な植生と、そこでのポートレートの構図を検証した記録をまとめている。

山の神(大山祇尊)
山の斜面に祀られた、大山祇尊を祭神とする土地の信仰の拠点。
数年にわたる探索を経て確認した、檜の御神木と、独自の風習を記録している。

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