花の窟神社 お綱掛け神事 | 聖域に舞う光と、祈りの情景

熊野市有馬町(Arima, Kumano):伊弉冊尊の御陵・日本最古の神社「花の窟」のお綱掛け神事

三重県熊野市(Kumano City)有馬町に位置する世界遺産「花の窟(はなのいわや)」は、日本書紀にも記される日本最古の神社である。社殿を持たず、高さ約45メートルの巨岩を御神体(伊弉冊尊の御陵)として仰ぐその姿は、自然そのものを畏怖し崇める原始信仰の風景を現代に留めている。三重県無形民俗文化財に指定されている「お綱掛け神事」は、7つの自然神を象徴する170メートルの大綱と「三流の幡(みながれのはた)」を断崖絶壁に渡す、熊野の象徴的な情景である。

写真家 kumanokodonet:光の階調と「生命の体温」を追い求める写実的な記録

新宮市(Shingu City)観光フォトコンテストでの多数の受賞に加え、那智勝浦町での最優秀賞受賞など、紀伊半島の光を知り尽くした写真家。神事の緊張感の中に不意に現れる光の干渉や、逆光に透ける白装束の質感、人々の表情を徹底的に追求。単なる行事の記録写真の枠を超え、多くの人が見過ごしてしまう「なんでもない瞬間の美しさ」を、kumanokodonet特有の透明感のある視点で描写した本記事は、歴史と現代が境界なく共存する、極めて稀有な「記録」そのものである。

三重県熊野市(Kumano)周辺でのポートレート作品制作:被写体モデル募集(Model Wanted)

新宮市(Shingu)を拠点に、那智勝浦町(Nachikatsuura)、熊野市(Kumano City)、本宮町、串本町、古座川町、紀宝町、御浜町、そして尾鷲市(Owase)まで。kumanokodonetでは、世界遺産・花の窟神社の断崖絶壁や七里御浜の波打ち際など、圧倒的な自然と神域が混ざり合う空間でのポートレート作品を制作。数十年後も価値を失わない、魂を揺さぶる一瞬を共に作り上げられるモデル・被写体を募集している。場所の力と共鳴し、自然な佇まいや素直な表情を表現できる方を歓迎。詳細は「モデル募集」のページを参照。

2月2日、花の窟神社は、冬の澄んだ光に包まれていた。
日本最古の聖域。
国道42号線を一時封鎖して行われるこの神事は、巨大な岩壁へと170メートルのお綱を捧げる、古くから続く祈りの形。
参道を歩む巫女の足音。逆光に溶ける、鮮やかな緋袴の赤。七里御浜から神域へと綱を運ぶ、人々の熱気。

あの日、花の窟にあった光と、人々の息遣い。

神事の幕開け|凛とした静寂と寒椿

境内にて氏子たちが「三流の幡(みながれのはた)」に寒椿を飾り付ける。2月2日の春季例大祭ならではの、冬の彩りを添える神事の準備風景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

境内では、氏子たちの手によって「三流の幡(みながれのはた)」に寒椿が飾り付けられていた。
冬の陽光が、鮮やかな花の赤を浮き立たせる。

白衣に緋袴を纏い、花の窟神社の鳥居をくぐる巫女たちの行列。日本最古の聖域に響く足音と、神事の幕開けを感じさせる凛とした後ろ姿。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

九時を過ぎ、鳥居をくぐる巫女たちの行列が、静かに神域へと足を踏み入れる。

冬の柔らかな陽光を浴び、花飾りを頭に載せて歩く巫女の姿。御神体である巨岩へと向かう、一瞬の静寂を捉えたドキュメンタリー。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
花の窟神社の鳥居を背に整列した五人の巫女。寒椿の鮮やかな赤と、歴史あるお綱掛け神事の清らかな空気感を醸し出す象徴的な一枚。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
花の窟神社の石碑の傍らで待機する、白装束の「上り子(のぼりこ)」たち。御神体の頂上へ登り、お綱を操る重要な役割を担う男たちの静かな熱気。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

花の窟神社の石碑の傍らで待機する、白装束の「上り子(のぼりこ)」と氏子たち。

参道に整列する巫女たちと、その姿を熱心に写真に収める参拝客。花の窟神社の神事を見守る人々の熱気と、和やかな境内の一幕を記録。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
寒椿の花束を手に持ち、真っ直ぐな眼差しで歩む巫女。冬の柔らかな陽光が、緋袴と白衣を纏う彼女の凛とした表情を優しく照らし出す。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
花の窟神社の森を背景に、神事に供奉する巫女たちの行列。手にした季節の花々が、日本最古の聖域に春の訪れを告げる鮮やかなアクセントとなる。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
強烈な逆光の中、虹色のフレアに包まれる巫女たちの後ろ姿。まるでお綱掛け神事を見守る八百万の神々が、彼女たちの奉仕を祝福しているかのような光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
眩い光の中で、ふと見せた巫女の柔らかな笑顔。寒椿の赤と、神事の緊張感が解けた瞬間にこぼれる喜びをドラマチックに切り取った一枚。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
参道の脇に立ち、深い拝礼を行う宮司と神職。神事の開始にあたり、聖域の神々へと敬意を捧げる厳かな一瞬を記録。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

参道の脇に立ち、宮司と神職が深い拝礼を捧げた。
この一瞬から、花の窟の空気は神事の核心へと向かって引き締まっていく。

手前に宮司、奥に神職が並び、境内を静かに進む列。白装束が冬の森に映え、日本最古の神社に伝わる伝統の重みが伝わる光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
神職に続いて参道を歩む巫女たちの列。緋袴の鮮やかな赤が、2月2日の春季例大祭における神聖な行列に彩りを添える。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
寒椿の花束を携え、凛とした佇まいで進む巫女。神事に従事する彼女の静かな横顔から、花の窟神社が守り続けてきた祈りの形が垣間見える。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
風にたなびく花の窟神社の旗と、その奥を静かに通り過ぎる巫女たちの列。神社の象徴と奉仕者の姿が重なり合う、神事の導入部を象徴する一枚。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
参道を歩む巫女たちの足元と、それを見守る参拝客の足元が交差する瞬間。2月2日の春季例大祭、境内を埋め尽くす人々の熱気と神聖な行列の歩みを捉えた記録。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
巨岩の影が落ちる参道を、冬の陽光に導かれるように進む神職と巫女の列。2月2日、花の窟神社の森に響く足音まで聞こえてきそうな、凛とした神事の情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

神職の先導により、巫女たちの列が木漏れ日が落ちる参道をゆっくりと進む。
冬の光に導かれるように、一行は御神体の懐へと吸い込まれていった。

神への誓いと、天からの兆し

御神体である巨岩の足元。圧倒的な迫力に押し潰されそうなその場所で、七人の「上り子」たちが勇ましく立っていた。

御神体である巨岩を前に、お祓いを受ける7人の上り子(のぼりこ)たち。7つの自然神の使いとして岩壁を登る直前、身を清める男たちの静かな覚悟が漂う一幕。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

七つの自然神の使いとして、断崖絶壁に挑む男たち。お祓いを受ける彼らの背中には、これから始まる命懸けの奉仕への、覚悟が滲む。

覆い被さるような巨岩の威容を縦構図で強調し、その足元でお祓いを受ける上り子たちを捉えた一枚。天高くそびえる御神体と、身を清め神域へ挑む男たちの対比が際立つ厳粛な光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
柔らかな冬の陽光を背に受け、参道を歩む巫女たちの後ろ姿。白い千早に描かれた松の紋様と、赤く鮮やかな緋袴が、境内の深い緑に美しく映える一幕。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

神域の静寂が、徐々に熱気へと変わっていく。
陽光を背に受けて参道を進む巫女たちの後ろ姿を見送ってから20分ほど、境内の視線は一斉に「天空」へと向けられた。

巨大な岩壁の頂上からゆっくりと下りてくるお綱を、固唾を呑んで見上げる参拝客たちの後ろ姿。2月2日、日本最古の聖域に集まった人々が、等しく天空を仰ぎ見る厳粛な一幕。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

「お綱が降りてまいりました。」
そうアナウンスがあった。
高さ45メートルの岩壁の頂上から、巨大なお綱の先導役となるロープが、青空を切り裂くようにしてゆっくりと舞い降りてくる。

御神体の前で立ち止まり、頭上から舞い降りる神の使い(お綱)を待ち受ける参拝客たち。冬の澄んだ空気の中、境内を埋め尽くす人々の視線が一点に集中する瞬間。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
スマートフォンを構えて、天空から舞い降りる巨綱の動きを捉えようとする群衆。神事の本格的な動きを前に、境内全体が静かな興奮と期待感に包まれる光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
御神体の頂上から、重しを付けた誘導用のロープが青空を背景に下りてくる様子。巨大なお綱を引き上げるための準備が着々と進む、神事の中盤を捉えた一枚。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
境内にて、頂上から届いたロープを受け取り、お綱をしっかりとくくりつける氏子たち。準備が整い、上部へ合図を送る緊迫した連携の瞬間。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

一転して、境内は緊迫した連携の場となる。
頂上から届いたロープを、地上で待つ氏子たちが手際よくお綱へとくくりつける。
「よし、上げろ!」
合図とともに、170メートルの巨躯がいよいよその全容を現し、天へと昇り始めた。

氏子たちの合図を受け、再び頂上へと引き上げられていくロープ。巨大なお綱がいよいよ岩壁を昇り始める、期待感に満ちた神事のワンシーン。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

神と人が繋がる「お綱」の重み

いよいよ、お綱が拝殿前から引き出される。
ここからは、氏子だけでなく、その場に集まった老若男女すべてが主役だ。

拝殿前から引き出されたお綱を、笑顔で支え持つ一般参加者の女性たち。神様と繋がることができると言い伝えられるお綱に触れ、神事の喜びを分かち合う温かな一幕。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

「神様と繋がれる」と言い伝えられるその綱に触れ、肩に担ぐ参加者たちの顔には、神事に携わる誇らしげな笑顔が溢れている。

肩にお綱を乗せ、晴れやかな表情で参道を歩む参加者たち。老若男女が心を一つにして巨大なお綱を運ぶ、花の窟神社ならではの一般参加が可能な貴重な瞬間。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

ずっしりとした神事の重みを分かち合いながら、人々の列はゆっくりと、そして力強く、国道42号線、そしてその先の、光溢れる七里御浜へと向かって動き出した。

国道42号線を横断する、170メートルの列

花の窟神社の前を走る国道42号線。
神事の間、一時的に封鎖されたアスファルトの上を、巨大なお綱を担いだ人々の列が静かに、しかし力強く進んでいく。

氏子の誘導のもと、七里御浜(しちりみはま)へ向けて国道を渡るお綱の行列。白い法被を着た関係者と一般参加者が一丸となり、170メートルもの綱を海へと運ぶ力強い一幕。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026


背後にそびえる御神体の巨岩と、現代の道路を練り歩く神事の光景。その日常と非日常が交錯する瞬間を、多くの観客が見守っていた。

冬の陽光に輝く、七里御浜

国道を渡りきると、目の前には冬の柔らかな光に包まれた七里御浜が広がっている。

陽光輝く七里御浜(しちりみはま)の波打ち際で、神事を見守る人々の遠景。レンズフレアが描く虹色の輪が浜辺を優しく包み込む、お綱掛け神事の日に現れた奇跡のような一幕。| Shichirimihama Beach, Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

波打ち際では、カメラを構える人や神事の行方を見守る人々が、浜辺特有の眩い光の中に溶け込んでいた。

七里御浜(しちりみはま)の先頭に立ち、170メートルのお綱を肩に担いで先導する氏子の勇姿。花の窟神社の伝統を背負い、一直線に並ぶ参加者を導く誇り高き表情を、2026年の澄み渡る光の中で捉えた記録。| Shichirimihama Beach, Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

先頭に立つ氏子の背中を追い、お綱の列は一直線に砂利浜へと伸びていく。
老若男女が一丸となって170メートルの重みを分かち合う。砂利を踏みしめる音が波の音と重なり、浜辺一帯が神事特有の熱気に包まれていく。

七里御浜でお綱を担ぎ、満面の笑みを浮かべる女性参加者たち。背後に一直線に続く列と花の窟の巨岩を望み、2026年の神事を楽しむ人々の活気溢れる記録。| Shichirimihama Beach, Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
輝く水平線を背景に、砂利浜を力強く進むお綱の列。老若男女が一体となり、神聖なお綱を花の窟へと運ぶ、七里御浜ならではの開放感に満ちた一幕。| Shichirimihama Beach, Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
白装束を纏った氏子の背中越しに、花の窟へと真っ直ぐに伸びるお綱の列を捉えた構図。伝統を先導する氏子の視点と、それに応える参加者たちの連帯感。| Shichirimihama Beach, Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
お綱掛け神事の成功を見据え、真剣な横顔で列を見守る氏子のクローズアップ。伝統を次世代へと繋ぐ決意が滲む、2026年神事の重みを伝えるポートレート。| Shichirimihama Beach, Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

海へと引き出されたお綱が、再び国道を渡り、花の窟へと帰還する。
封鎖された国道の上で、白装束の氏子たちが懸命に綱を引き寄せる。

花の窟神社の例大祭にて、一時封鎖された国道42号線の横断歩道を渡り、巨大なお綱を力強く引き寄せる白装束の氏子たちの記録。七里御浜から神域へと綱を繋ぐため、アスファルトの上で懸命に力を合わせる2026年神事の決定的一枚。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026
高く掲げた竹竿の先を見つめ、お綱が正しい位置へと導かれるよう全神経を集中させる氏子の真剣な表情。背後に広がる熊野の山々と空、そして眼前に迫る神事の重圧を、α7 が鮮明に切り取った2026年の一枚。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

高く掲げた竹竿の先、お綱が正しい位置へと導かれるよう、氏子たちは全神経をその一点に集中させていた。

花の窟神社の断崖絶壁(御神体)へと繋ぐため、長い竹竿を使って巨大なお綱を空高く押し上げる氏子たちの姿。国道沿いの参道から、一点の曇りもない青空へと神聖な綱を導く、2026年神事の躍動的な記録。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

一点の曇りもない青空へと、巨大な綱が押し上げられていく。背後に広がる熊野の山々に見守られ、神聖な綱がゆっくりと、御神体の懐へと収まっていく。

天と地、神と人が結ばれる刻

御神体へと繋がるお綱から吊り下げられた、花の装飾が美しい「三流の幡(みながれのはた)」。三柱の神を象徴する三本の旗縄が熊野の風に揺れる、花の窟神社お綱掛け神事の核心的な光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

境内に戻ると、天高く掲げられた、ひときわ目を引く彩りがあった。季節の花々で鮮やかに飾られた、約10メートルの「三流の幡(みながれのはた)」だ。
これは、日本神話における尊い三柱の神々を表している。
天照大神(あまてらすおおみかみ):太陽の神
月読命(つくよみのみこと):月の神
素戔嗚尊(すさのおのみこと):地上界の神
この「三神」を象徴する旗縄は、いわば神様へ届けるための「天の道標」。

花の窟神社の境内で、花々に彩られた約10メートルの「三流の幡(みながれのはた)」を撮影する参拝客。三神を意味する神聖な旗縄が天高く掲げられた光景を、敬虔な面持ちで記録する人々の姿。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

参拝客たちは、青空へと突き刺さるようなその神聖な姿に、一様にスマートフォンやカメラを向け、畏敬の念を込めてその姿を記録していた。

神事の幕開け、厳粛なる一拝

花の窟神社の例大祭「お綱掛け神事」にて、御神体の巨岩を背に、神前で深く頭を下げる神職たちの姿。神事の幕開けに際し、静寂に包まれた境内で行われる一拝の儀式を厳かに写し出したひとコマ。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

いよいよ例大祭の核心へと進む。
御神体である巨岩を背に、神職たちが一列に並び、深く、静かに頭を垂れる。
日本最古の聖域に漂う、凛とした空気。一拝の儀式とともに、境内はそれまでの活気が嘘のような、神聖な静寂に包み込まれていく。

献饌(けんせん)の儀式にて、神職から神職へと神饌(神様へのお供え物)が手渡される瞬間。花の窟神社に古くから伝わる気高い作法と、神聖な供物を運ぶ緊張感までもが伝わってくるような光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

続いて、神饌が次々と手渡されていく献饌の儀。
受け渡される一挙手一投足に、古くから伝わる気高い作法と、神様へのお供え物を運ぶという緊張感が宿っていた。

平和への祈り、巫女たちの舞

花の窟神社の例大祭にて奉納される、平和を祈る「浦安の舞」。扇を手に顔を伏せ、厳かな足取りで舞殿へと進む巫女たちの凛とした佇まいを、神域の澄み渡る空気感と共に描き出した瞬間。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

神事を華麗に彩るのは、巫女たちによる奉納演舞だ。
「浦安の舞」では、扇を手にした巫女たちが凛とした佇まいで舞殿を進み、平和への祈りを捧げる。

花の窟の巨岩を背に、季節の花を手にして舞う「豊栄(とよさか)の舞」。神様への感謝を込め、白い千早を美しくたなびかせる巫女たちの演舞を鮮明に切り取った2026年の奉納風景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

続いて披露された「豊栄の舞」では、季節の花を手に、白い千早を風になびかせながら、御神体の巨岩を背に優雅に舞い踊る。その姿は、まるで神域に咲いた美しい花のようだった。

花の窟神社の例大祭「お綱掛け神事」にて、御神体の前で玉串を奉納し、深く平伏する神職たちの姿。日本最古の聖域に漂う厳粛な気配と、八百万の神々への至高の敬意が捧げられる静かな時間を切り取ったもの。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

祭儀の締めくくりとして、神職が御神体の前で玉串を奉納し、深く平伏する。
八百万の神々への至高の敬意が捧げられるその瞬間、花の窟には目に見えない力強い繋がりが満ち溢れる。

花の窟神社の例大祭にて、玉串を捧げ神前に整列する7人の上り子(のぼりこ)たちの後ろ姿。御神体の巨岩へとお綱を繋ぐ大役を担う彼らが、神儀を前に静かに祈りを捧げ、決意を固める情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

七人の上り子たちが、整列する。その背中には、大役を果たした者だけが纏う、充足感に満ちていた。

お綱掛け神事の終了後、花の窟神社の御神体である巨岩にそっと手を触れて参拝する人々の姿。日本最古の聖地にて、新たに掛けられたお綱の余韻を感じながら、神様と直接繋がるひとときを過ごす参拝客の静かな祈りの情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

人々は新たに掛け替えられたお綱の余韻に浸りながら、御神体の岩肌にそっと手を触れる。
日本最古の聖地で、神様と直接繋がるひととき。境内には、神事を終えた後の温かな安らぎが広がる。

花の窟神社の巨岩に落ちた、三流の幡(みながれのはた)の影を捉えたモノクロームの情景。荒々しい岩肌の質感と、風にゆらめく実体のない影が織りなす、神事の静かな余韻を感じさせる芸術的なひとコマ。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

ふと見上げれば、荒々しい岩肌に「三流の幡」の影が揺らめいている。
実体のないその影は、神事の記憶を刻み込むかのように、静かに、その余韻を漂わせる。

花の窟神社の境内にて、天高く掲げられた三流の幡(みながれのはた)をスマートフォンで撮影する参拝客の後ろ姿。世代を問わず多くの人々が御神体を見上げ、神事の瞬間を記録に収める現代の例大祭の情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

安堵の笑顔と、日常への帰還

お綱掛け神事の終了後、参拝客に祝いの餅を配る笑顔の上り子(のぼりこ)の姿。大役を終えた安堵感と共に、地域の人々や参拝客と喜びを分かち合う、花の窟神社の例大祭を締めくくる温かな交流の情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

神事の厳粛な空気が、温かな「祝い」の形へと変わった。
大役を終えた上り子たちが、参拝客に祝いの餅を配り始めた。そこにあるのは、地域の人々と喜びを分かち合う、最高に晴れやかな笑顔だ。

花の窟神社の例大祭にて、浦安の舞の奉納を終えた巫女の静かな横顔。鮮やかな花飾りをつけ、神前での大役を果たした後の安堵感が漂う表情を、境内の柔らかな木漏れ日と共に捉えた情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

そして、神事の間、神聖なオーラを纏っていた巫女たちもまた、一人の少女へと戻っていく。

花の窟神社の鳥居を出る際、神前に向かって最後の一礼をする直前の二人の巫女。晴天の光を背に受け、神事の大役を終えた充足感と凛とした気品を湛えたまま、静かに神域を後にしようとする情景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

鳥居を出る際、神前へ最後の一礼を捧げるその瞬間。あどけない少女の面影の裏側に、一瞬だけ覗いた「神の使い」としての自負。
神聖な義務を全うしたという確かな自信が、一筋の光のように差していた。

躍動と未来

最後に見かけたのは、重圧から解放され、ルンルンとした足取りで境内を駆け出す巫女の後ろ姿だった。

例大祭の大役を無事に終え、重圧から解放されてルンルン気分で駆け出す巫女の弾む後ろ姿。厳粛な神事の顔から一人の少女に戻り、弾むような足取りで日常へと帰っていく、喜びと安堵感に満ち溢れた花の窟神社のワンシーン。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

神の使いとしての時間を全うし、一人の少女へと戻るその瞬間。
弾む背中は、まるで春の訪れを告げる花の精のようにも見えた。

空に舞った三流の幡(みながれのはた)が、いつか彼女たちの未来を優しく包む、追い風となるように。

花の窟に、新しい時代の香りが吹き抜けていった。

青空の下、花の窟の巨岩から解き放たれたように風に舞う三流の幡。神事の終わりと新しい時代の始まりを告げるかのような、自由で軽やかな祈りの余韻を捉えた決定的な光景。| Hananoiwaya Jinja, Arima, Kumano, Mie | SONY α7 | 2026

花の窟神社例大祭 お綱掛け神事|三重県熊野市有馬町|写真家 kumanokodonet

花の窟で見上げた空は、熊野の神々が初めて降臨したとされる「神倉山」の断崖へと繋がっている。
天照大神を仰ぎ、1580人の上り子が火の竜となって石段を駆け下りた熱狂の夜。

花の窟に祀られた三柱の一(みはしらのひとつ)、月読命(つくよみのみこと)。
その静寂を思わせるような、深く澄んだ旋律を奏でた人がいた。
音のない世界で紡がれた、色褪せることのない大切な想い。

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