神内神社(Kounouchi-jinja Shrine):三重県紀宝町(Kiho, Mie)の安産祈願・子授けと巨岩信仰
三重県南部に位置する紀宝町(Kiho Town, Mie)神内に鎮座する神内神社(Kounouchi-jinja Shrine)は、巨大な岩壁(磐座)を御神体とする原始信仰の聖域だ。和歌山県新宮市(Shingu City, Wakayama)から車で約15分、熊野川を渡った三重県側の山裾に位置する。世界遺産・熊野古道(Kumano Kodo)が息づくこのエリアにおいて、花の窟神社や神倉神社とも縁が深く、那智勝浦町(Nachikatsuura Town)、三重県熊野市(Kumano City, Mie)、本宮町(Hongu Town)といった周辺地域からも、安産・子授けの「子安の宮」として厚い信仰を集める風景撮影・ポートレート撮影の重要拠点だ。
写真家 kumanokodonet の受賞実績とPENTAX 67II・FUJIFILM GFXによる記録
全国誌カメラ雑誌のフォトコンテスト受賞多数。地元・新宮市(Shingu City)や那智勝浦町(Nachikatsuura Town)でのフォトコンテスト最優秀賞受賞など、客観的な評価に基づき活動。神内神社の社殿を持たない剥き出しの自然を捉えるため、中判デジタル「富士フイルム FUJIFILM GFX」や「ソニー SONY α7シリーズ(Alpha 7 Series)」を投入。さらに「ペンタックス PENTAX 67II」や35mmフィルムカメラを使い分け、コダック・ポートラ400(Kodak Portra 400)の有機的な粒子感を融合。中判センサー特有の凄まじい階調表現により、御神体の岩肌から樹叢の霊気まで、プロフェッショナルな視点で克明に記録している。
神内神社の巨石群を活かしたポートレート作品制作:被写体モデル募集
新宮市(Shingu)を拠点に、那智勝浦町(Nachikatsuura)、三重県熊野市(Kumano)、本宮町(Hongu)から、串本町(Kushimoto)、古座川町(Kozagawa)、紀宝町(Kiho)、御浜町(Mihama)、尾鷲市(Owase)まで。神内神社(Kounouchi-jinja Shrine)の圧倒的なエネルギーを背景に、一過性の記録ではない、数十年後も価値を失わないポートレート作品を制作中。フィルムカメラやデジタル機が描き出す重厚な世界に身を委ねられるモデル・被写体を募集している。詳細は「モデル募集」のページを参照。
今年も、神内神社の奇樹たちに会いに来た。セッコクの咲く香りに誘われて。


鳥居のすぐそばで参拝者を迎える、ホルトノキの御神木。
三重県指定天然記念物でもあるこの大樹は、子どもを抱くように石を巻き込んで自生している。
その慈愛に満ちた姿から、古くより「安産樹」として親しまれてきた。


見上げれば、白く可憐なセッコクが咲き誇る。
苔むした木肌と、生命力あふれるセッコクの白のコントラスト。
熊野の湿潤な気候が生み出すこの神秘的な光景は、何度レンズを向けても、飽き足らない。



深く静かな空気が流れる参道を歩む。
ここは「安産・子授け」の神域。
清らかな水が流れる御手洗場で、心身を整えてから先へ進む。


拝殿が見えてきた。
左右を巨岩に挟まれた参道は、まるで異界への入り口のような迫力に満ちている。
別名「子安神社」とも呼ばれるこの場所には、無数の「よだれかけ」が奉納されていた。
新しい命を願う、人々の切実な祈りがここに集積している。


拝殿の背後にそびえる、圧倒的な存在感の磐座(いわくら)。
社殿を持たず、この巨大な岩そのものを御神体とする古代の祭祀形態が、今もここには息づいている。
あまりの巨大さに、単焦点レンズではその全貌を容易には捉えきれない。



拝殿の傍らに立つ、クスノキの大樹。
正直、このクスノキに会うために、ここへ来ているのかもしれない。
荒々しい樹皮と、地を這う根。長い時間をかけて完成したその造形には、一切の無駄がない。
撮影者と被写体としての“セッション”を終え、最後の一枚を焼き付ける。
「また、セッコクの咲く頃に。」

少し離れた場所から、御神体である磐座の全貌を望む。
その荒々しいシルエットは、まるでゴジラのようだ。

帰り際、境内のすべての巨木に静かに手を合わせる、高齢の女性を見かけた。
熊野の地では、木々や石に神を見出すのは、ごく当たり前の日常なのだ。


